トレーニングをしていても年齢とともにベンチプレスのパフォーマンスは落ちていきます。
落ちる割合は実は40歳以降10年で10%であるということを知っていますか!!
マスターズで頑張っている人はこの法則を当てはめると、年齢に抗って記録を伸ばしているかが分かります。
楽しくトレーニングをするには自分を褒めることも大切です!
この法則は、ベンチプレスの中高年のパフォーマンスに関する法則です。
◆ベンチプレス 10年10%減の法則
ベンチプレスのパフォーマンスは40歳以降は
10年で10%ダウンしていきます!
最近このブログの記事を作成していて気づきました。
この法則を導いたデータは、日本記録と2024年クラッシックベンチプレス大会のデータをベースにしています。
このため、かなり真剣に取り組んでいる場合というエクスキューズがつきます。
言い方を変えれば、中高年から伸びる人はトレーニングを熱心に行っている人です。
使用したデータは日本人の体形では豊富にデータがある66kg、74kg、83kg級のデータです。
体重では59kg~83kgの体重の男性が対象です。多くの日本人はこの範囲に入ります。
ベンチプレスの大会のデータを使用しているので参加人数が少なかったり、とても強い人がいる場合は誤差となります。
児玉大紀さんは、年齢が上がってもより強くなっているので誤差要因なのです!
筋肉量の減りの影響は
ベンチプレスのパフォーマンスは、筋力(筋肉量、神経系の発達)とテクニックと言われています。
大きな要素である筋肉量の影響を考えてみます。
日本老年医学会雑誌に「日本人筋肉量の加齢による特徴」という多くの人が参照している論文があります。
この論文では、約4000人の男女データを使用して上肢、下肢、体幹の年齢による筋肉量の低下を観察しています。
ベンチプレスで使用するのは主に上肢の筋肉になります。
体重も上肢筋肉量も55歳ぐらいから落ち始めています。
でもベンチプレスの10%ダウンの法則どの減少はありません。
同じ年齢カテゴリーで比較すると
一般 | M1 | M2 | M3 | M4 | |
年齢 | ~39 | 40~49 | 50~59 | 60~69 | 70~79 |
10%削減法則 | 0% | -10% | -20% | -30% | -40% |
上肢筋肉削減 | 0% | -1% | -3% | -8% | -14% |
筋肉量の減少はかなり少ないようです。
ベンチプレスの強さに対する筋肉量の影響は、ざっくり半分以上はあるのではないでしょうか?!
想像では、筋肉の質の問題や体の柔軟性が落ちてしっかりとしたフォームが組めないことの要因が大きそうです。
神経系の発達の劣化も考えられますが、ここはトレーニングでカバーしたいところです。
ここからは、色々なデータで10%ダウンの法則を確認していきます!
まずは2024年3月時点の日本記録で検証です。
◆日本記録
一般 | M1 | M2 | M3 | M4 | |
66kg | 205 | 172.5 | 160 | 145 | 130 |
74kg | 250.5 | 226 | 174 | 149 | 140 |
83kg | 230.5 | 230.5 | 192.5 | 170 | 140 |
◆年齢による削減率
66kg | -16% | -22% | -29% | -37% | |
74kg | -10% | -31% | -41% | -44% | |
83kg | 0% | -16% | -26% | -39% | |
トータルでのダウン率 | -9% | -23% | -32% | -40% |
トータルのダウン率を確認するとほぼ、10歳でー10%のダウン率になっています。
2024年ジャパンクラシックベンチプレス選⼿権⼤会優勝者の記録
次はノーギアでも最高峰である2024年1月のジャパンクラッシックベンチプレス選手権大会の優勝者の記録です。
◆優勝者の記録
一般 | M1 | M2 | M3 | M4 | |
66kg | 187.5 | 172.5 | 152.5 | 130 | 92.5 |
74kg | 220 | 172.5 | 174 | 142.5 | 140 |
83kg | 220 | 220 | 177.5 | 152.5 | 125 |
◆年齢による削減率
66kg | -8% | -19% | -31% | -51% | |
74kg | -22% | -21% | -35% | -36% | |
83kg | 0% | -19% | -31% | -43% | |
トータルでのダウン率 | -10% | -20% | -32% | -43% |
こちらもトータルでのダウン率で確認するとほぼ、10歳でー10%のダウン率になっています。
2024年ジャパンクラシックベンチプレス選⼿権⼤会参加者の記録
最後に2024年ジャパンクラッシックベンチプレス選手権大会の参加者の平均の記録で確認してみました。
◆参加者の記録
一般 | M1 | M2 | M3 | M4 | |
66kg | 160.7 | 148.2 | 141.8 | 126.9 | 92.5 |
74kg | 177.5 | 152.9 | 155 | 130.9 | 122.5 |
83kg | 182.1 | 185.6 | 158.8 | 137.2 | 115.8 |
◆年齢による削減率
66kg | -8% | -12% | -21% | -42% | |
74kg | -14% | -13% | -26% | -31% | |
83kg | 2% | -13% | -25% | -36% | |
トータルでのダウン率 | -7% | -12% | -24% | -37% |
トータルでのダウン率で確認すると、前者2つのデータより少しダウン率は低めですが、準じているのではないでしょうか?!
データからみると、かなりストイックに鍛えた人たちは、この10%ダウンの法則が成り立つようです。
逆に考えると、若いときに限界まで追い込んでいない中高年は、頑張ればまだまだ記録は伸びる可能性があります。
また上肢筋肉量は、下肢筋肉量に比べ年齢によりダウン率は少なく、
ベンチプレスが長く楽しめる理由になっているようです。