2023年ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 一流選手は!? 階級別の年齢による傾向を調べてみた!

ベンチプレスはTVなどで紹介されて少しだけ認知度が上がりました。ノーギアで争っているのがジャパンクラシックベンチプレス選⼿権⼤会です。

この大会参加者は日本のトップクラスの選手です。どれ位の重量を挙げているのでしょうか?  階級別、年齢別に平均値で比べてみました。

中高年でハマった人は、いい線いっているかもしれません!

ジャパンクラシックベンチプレス選⼿権⼤会とは

ジャパンクラッシックベンチプレス選手大会は、JPA(日本パワーリフティング協会)が主催するノーギア(ベンチシャツを着ない)大会で日本一を決定する大会です。

ノーギアなので、ジムで普通に挙げるのとほぼ同じ状態で比べることができます。もちろん、胸で一度止めるとか、腰はベンチに着けるとか少し制約はあります・・

階級別に、ジュニア、一般、マスター(1~5)が設定されており、カテゴリー別に順位がつけられます。

また世界選手権大会代表選手の選考の大会でもあります。

残念ながら誰もがエントリーできるのではなく、一般、マスターもM3までは標準記録が設定されています。

標準記録はこちら

平均値で確認する意味は?

大会を目指す人は自分がどのレベルにいるか知りたくなります。

大会をあまり意識していなくても、中高年からベンチプレスを始めて熱心にトレーニングを続けていると、意外といいレベルということがあります。

年齢とともに大会の記録は落ちてきています。また年齢が上がると参加する人数が減ってきます。

中高年の人は狙い目かもしれません。

全日本レベルの一つの基準としては、標準記録があります。

全日本クラッシック大会に参加するためには、事前の公式の大会で標準記録を越えた記録をつくる必要があります。

全日本クラッシックの平均記録は、もちろん標準記録より高く、一流のアスリートであることを証明できる記録といえます。

もちろん優勝の記録と比較するのも大切なのですが、各階級とも優勝者となると、とんでもなくレベルが高く、発展途上の人には雲の上の記録になったりします。

ということで今回は

一流のアスリートを証明する記録 = 全日本クラッシックの平均記録

ということにしました。

平均で比較する課題

今回、各階級の年齢別(M1~M5)で平均値を計算してみました。実際にデータを処理していると課題も幾つかあります。

主な課題は参加者数です

・男子:重いクラスや年齢が高くなると参加人数が少なくなる

・女子:全体に参加人数が少ない

男子は59kg~83kg級の一般からM4までは参加人数が多く年齢別の強さや傾向が精度よくでています。

傾向の精度は、最小2乗法で近似線をかかせたときのr2値の大きさで判断できます。

93kg以上ではM3以上の年齢では参加者が少なく精度が落ちています。

とはいえ男子は全体に良い精度で強さや傾向が分かります。

女子は参加人数が少なく年齢ごとの強さや傾向は参加した個人の影響が大きくなっています。

このため年齢が高い方が強くなるという結果になったりします。

挙上重量の平均値で傾向を確認した!

ここからは、実際の挙上重量の平均値、参加人数、階級別にデータ処理した内容です。

全体の傾向

◆男子の階級・年齢別の平均挙上重量(kg)

階級 一般 M1 M2 M3 M4 M5
59 150.9 125.6 118.3 103.1 85.8 76.3
66 154.8 139.6 132.5 117.0 94.2 82.5
74 178.6 160.4 152.0 131.1 112.1 90.0
83 179.1 174.2 159.8 140.0 120.0 95.0
93 191.0 180.4 172.6 174.1    
105 201.3 173.8 188.3      
120 203.2 185.8 175.0      
120超 215.0 201.3 180.0      

 一般の平均値のレベルは高いレベルです。年齢がすすむにつれて緩やか落ちているのが分かります。

◆男子の階級・年齢別の参加人数(人)

  一般 M1 M2 M3 M4 M5
59 8 4 4 4 3 2
66 17 14 8 5 3 3
74 8 7 13 10 6 2
83 20 6 12 12 6 1
93 18 7 6 0 0 0
105 10 5 2 0 0 0
120 8 4 2 0 0 0
120超 2 2 1 0 0 0

参加人数は全体的に多いのですが、より重たい階級、年齢がすすむにつれて減っています。

◆女子の階級・年齢別の平均挙上重量(kg)

  一般 M1 M2 M3 M4 M5
47 70.0 55.0 50.0 45.0 52.5  
52 81.8 67.5 65.0 55.0 45.0 51.0
57 84.0 90.0 81.7   55.5 35.0
63 79.7 80.6 71.3 52.5 67.5  
69 84.4 76.9 81.7      
76 90.0   100.0 57.5 75.0  
84 82.5     52.5    
84超 100.0 90.0        

 参加人数が少ないカテゴリーも多くあり、参加者の強さが傾向として出てしまっています。

◆女子の階級・年齢別の参加人数(人)

  一般 M1 M2 M3 M4 M5
47 3 1 2 6 3 0
52 8 4 4 2 2 1
57 7 2 2 0 1 1
63 8 4 2 2 1 0
69 4 4 3 0 0 0
76 3 0 1 1 1 0
84 2 0 0 1 0 0
84超 1 1 0 0 0 0

一般の52kg~63kg級は人数が多いのですが、他カテゴリーでは参加者は少なく状態です。

男子階級別傾向

◆男子59kg級

一般からM5まで参加者がいます。年齢ごとの傾向も精度よく出ています。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約15kgずつ下がっています。

M2(50~59歳)では116kg

M3(60~69歳)では102kg

挙がれば一流アスリートです。

◆男子66kg級

一般からM5まで参加者がいます。年齢ごとの傾向も精度よく出ています。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約15kgずつ下がっています。

ほぼ59kgと傾向は同じです。

M2(50~59歳)では127kg

M3(60~69歳)では113kg

挙がれば一流アスリートです。

◆男子74kg級

一般からM5まで参加者がいます。年齢ごとの傾向も精度よく出ています。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約17.4kgずつ下がっています。

M2(50~59歳)では145kg

M3(60~69歳)では127kg

挙がれば一流アスリートです。

◆男子83kg級

一般からM5まで参加者がいます。年齢ごとの傾向も精度よく出ています。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約17.2kgずつ下がっています。

M2(50~59歳)では153kg

M3(60~69歳)では136kg

挙がれば一流アスリートです。

◆男子93kg級

一般からM3まで参加者です。M2よりもM3の記録が高くやや精度が落ちています。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約5.8kgずつ下がっています。

年齢による下がる率が今までの階級より小さいのが特徴です。

M2(50~59歳)では176kg

M3(60~69歳)では171kg

挙がれば一流アスリートです。

◆男子105kg級

一般からM2まで参加者です。ここでもM1よりM2の記録が高くなっています。

M1、M2の参加人数は少なく傾向はつかめていません。

◆男子120kg級

一般からM2まで参加者です。参加人数は105kg級より減っていますが、傾向は出ています。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約14.1kgずつ下がっています。

年齢による下がる率が今までの階級より小さいのが特徴です。

M2(50~59歳)では173kg

M3(60~69歳)では160kg

挙がれば一流アスリートです。

◆男子120kg超級

一般からM2まで参加者です。参加人数は120kg級より更に減っていますが、傾向は出ています。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約17.5kgずつ下がっています。

M2(50~59歳)では181kg

M3(60~69歳)では164kg

挙がれば一流アスリートです。

女子階級別傾向

女子は男子に比べ、参加人数が少なく精度よく傾向がつかめていません。傾向がでている階級のみ記載します。

◆女子47kg超級

一般からM4まで参加者です。M4の競技者が強く全体の精度を落としています。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約4.5kgずつ下がっています。

年齢による下がる率が今までの階級より小さいのが特徴です。

M2(50~59歳)では56.5kg

M3(60~69歳)では52kg

挙がれば一流アスリートです。

◆女子52kg超級

一般からM5まで参加者がいます。M5の参加者が強く精度が落ちていますが女子の中では精度の高い階級です。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約6.6kgずつ下がっています。

M2(50~59歳)では64.2kg

M3(60~69歳)では57.6kg

挙がれば一流アスリートです。

◆女子57kg超級

M3の参加がありませんが他カテゴリは参加されています。精度はそこそこ高そうです。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約10.5kgずつ下がっています。

M2(50~59歳)では73.4kg

M3(60~69歳)では62.9kg

挙がれば一流アスリートです。

◆女子63kg超級

一般からM4まで参加者がいます。全体に個人の強さの影響がでて精度がおちているようです。

マスターズの階級が1つすすむ毎に記録は約5.2kgずつ下がっています。

M2(50~59歳)では70.4kg

M3(60~69歳)では65.2kg

挙がれば一流アスリートです。

◆女子69kg超級

個人の強さが出ており傾向はありません。

まとめ

男子は一部を除き精度よく階級別の年齢による傾向を確認することができます。女子は参加人数の影響から参加者の強さの影響を強く受けているようです。

男子は年齢のカテゴリーが変わるごとに、一部を除き14kg~18kg挙上重量が落ちていきます。

女子はバラついていますが、傾向が出たところでは4kg~11kg挙上重量が落ちています。

年齢によるMAX挙上重量の落ちは個人差があります。

ベンチプレスを中高年から始めた人や長年続けている人は自分のレベルを確認してモチベーションを上げましょう!

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