ベンチプレス レベル判定ツール 2022 日本記録を基に階級と年齢を考慮して作成してみた! 

どんな人でも年齢とともにベンチプレスのMAX値は下がっていきます。それは全日本レベルのアスリートでも同じです。

今回は、2022年10月時点の日本記録を元に自分のレベルを評価できるツールを作成してみました。基準が日本記録なので、このツールは競技者、アスリート、筋トレ上級者向きです。初級・中級者の精度は落ちています。

このツールで分かることは、トレーニングを継続して記録を維持していくと普通の人でもアスリートになれることです。ベンチプレスっていいですね!!

作成したツール・使い方

ツールの使い方は簡単です。

入力は年齢と階級・性別の選択のみです。入力を完了すると自動的に6つのレベル判定の基準値が表示されます。

その基準と自分のベンチプレスのMAX値を比較して、自分のレベルがどこにいるか確認しましょう!

 

 

◆各レベルの設定
各レベルの位置づけは、個人的な感覚で行っていますが、各年齢による日本記録、全日本の標準記録などを意識して設定をしています。

日本記録相当:各カテゴリーの日本記録から最小2乗法による線形近似により推定
全日本レベル:全日本の競技会に参加できるレベル(実際には標準記録あり)日本記録相当の80%のパフォーマンス
アスリートレベル:競技者として地方大会などに参加できるレベル 日本記録相当の70%のパフォーマンス
筋トレ上級者:筋トレの上級者レベル 日本記録相当の60%のパフォーマンス
筋トレ中級者:筋トレの中級者レベル 日本記録相当の45%のパフォーマンス
筋トレ初級者:筋トレの初級者レベル 日本記録相当の35%のパフォーマンス

全日本クラスの競技会では日本パワーリフティング協会が標準記録を設定しており、参加するには事前にこの記録を越える必要があります。令和4・5年の標準記録はこちら
 
 
◆フォームによる補正
競技での記録をもとにしているので、挙上フォームによる簡単な重量補正をするとより精度がよくなります。
●フォームによる記録補正
・お尻はベンチ台についているがボトム(胸)で止めなし
 ⇒ 5~10kgの挙上重量のマイナス
・お尻はベンチ台についていない(ケツ上げベンチ)で止めなし
 ⇒ 15~20kgの挙上重量のマイナス

ツールの計算方法

旧ツールからの改善点

旧ツールは、ブログ「おとたの」に2021年3月に投稿しています。今回の改訂で日本記録の更新と精度向上のための推定方法(最小2乗法)の見直しなどを行っています。

◆日本記録の更新

記録の更新も盛んにおこなわれています。前回作成した時点から男女とも40カテゴリーの内18カテゴリーで日本記録が更新されています。驚かされたには男子の74kg級で児玉さんの記録を横山さんが240kgという記録で更新しています。

突出した記録がでると、この判定ツールでは、その階級は全体にレベルが上がる傾向になります。

◆推定方法の見直し

推定の中での見直しは、2つです。

・80歳代の記録を削除。80歳代の記録を確認すると他の年代との線形性が低いので削除し全体の精度をあげました。

・旧ツールでは日本記録を出す年齢を30歳としましたが、実際の日本記録は20歳代の場合が多いのと、突出した記録が多く線形性を崩している傾向があるので、日本記録を出す年齢を20歳としました。

これらの修正で全体の精度は向上したの考えられるのですが、逆に20歳代(以前のツールでは推定できなかった)、80歳代では精度が落ちています。

計算方法

基本データはノーギア(ベンチシャツを着ていない)の日本記録です。データは、日本パワーリフティング協会のHPのこちらにあります。

階級別に挙上重量とカテゴリー(年齢)関係から最小2乗法で線形近似線を引き、その近似式から推定挙上重量を予想しています。

相関係の強さを表しているR2は、ほとんどが0.7以上で概ね良好です。一部女子のカテゴリ相関が低いところがあります。突出した選手や逆に記録が低調なカテゴリー(年齢別)があると精度が落ちます。

日本記録に挑戦するとか、全日本の大会に出る人にとっては、よい精度で自分のレベルが判定できそうです。

計算事例

今回作成したツールで計算したものを表にしています。参考に日本記録と標準記録を記載しています。男子で多くの人が対象である66kg、74kg、83kg級を表にしました。

 

◆男子66kg級

  20歳 30歳 40歳 50歳 60歳 70歳 80歳
日本記録相当 203.7 189.0 174.3 159.6 144.9 130.2 104.1
全日本レベル(85%) 163.0 151.2 139.4 127.7 115.9 104.2 88.5
アスリート(70%) 142.6 132.3 122.0 111.7 101.9 91.1 72.9
筋トレ上級者(60%) 112.04 104.0 95.9 87.8 79.7 71.6 62.5
筋トレ中級者(45%) 81.48 75.6 69.7 63.8 58.0 52.1 46.8
筋トレ初心者(35%) 61.11 56.7 52.3 47.9 43.5 39.1 36.4
日本記録(参考) 205 205 170 160 145 130 90
標準記録(参考) 150 150 135 130 110

 

◆男子74kg級

  20歳 30歳 40歳 50歳 60歳 70歳 80歳
日本記録相当 249.3 226.2 203.0 179.9 156.7 133.6 110.5
全日本レベル(85%) 199.4 180.9 162.4 143.9 125.4 106.9 88.4
アスリート(70%) 174.5 158.3 142.1 125.9 109.7 93.5 77.3
筋トレ上級者(60%) 137.1 124.4 111.7 98.9 86.2 73.5 60.8
筋トレ中級者(45%) 99.7 90.5 81.2 72.0 62.7 53.4 44.2
筋トレ初心者(35%) 74.8 67.9 60.9 54.0 47.0 40.1 33.1
日本記録(参考) 240.0 240.0  226.0 172.5 149.0 135.0 85
標準記録(参考) 160.0 160.0 145.0 140 120

 

◆男子83kg級

  20歳 30歳 40歳 50歳 60歳 70歳 80歳
日本記録相当 237.4 220.0 202.6 185.2 167.8 150.4 133.0
全日本レベル(85%) 189.9 176.0 162.1 148.2 134.2 120.3 106.4
アスリート(70%) 166.2 154.0 141.8 129.6 117.5 105.3 93.1
筋トレ上級者(60%) 130.6 121.0 111.4 101.9 92.3 82.7 73.2
筋トレ中級者(45%) 95.0 88.0 81.0 75.0 67.1 60.2 53.2
筋トレ初心者(35%) 71.2 66.0 70.9 55.6 50.3 45.1 39.9
日本記録(参考) 223.0 223.0 223.0 192.5 170 140
標準記録(参考) 170 170 155 150 130    

 

まとめ

今回ツールを更新しましたが、驚くことに約1年半の間に日本記録の約45%が塗り替えられていました。また2023年からルール改正があるので、恐らく記録は一回リセットされるのかもしれません。

このツールでは、ベンチプレスの愛好者でも継続して記録を維持していければ、全日本レベルの選手になれる可能性があることが分かります。これによりモチベーションがあがりました。

特にマスターズのベンチプレスの愛好家に人にこのツールを使いモチベーションを上げて頂けたら嬉しいです。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です