ベンチプレス 話題のグエンプログラムの正体は何?!

グエンプログラムは米国のベンチプレッサーのグエンさんが経験的につくったプログラムです。グエンさんは70kgで186kgを挙げたことでも有名です。

このベンチプレスのMAXが伸ばせるプログラムはカリスマ性も感じられます。

このプログラムは一体どんな秘密があるのでしょうか? 他のプログラムと比較してその特徴を考えてみました。

グエンプログラムの正体!?

最初に結論です。

グエンプログラムの正体は

 MAX重量向上のための究極の神経系トレーニング!!

です。

グエンプログラムは、週3回を基本としていますが、その全てで高重量の1レップや低レップのトレーニングを重視しています。

このためある程度、トレーニングがすすんで体がつくられている人向きです。筋肥大には不向きなプログラムです。

グエンプログラムは、グエンさんが自分のために試行錯誤でつくったプログラムです。グエンさんは12歳からベンチプレスをやっているので長い時間をかけてしっかりと地力をつけていたと想像できます。

初心者が最初からこのプログラムで体を作っていこうというのは間違えです。

グエンプログラムの内容

グエンプログラムは、週3回、月、水、金のトレーニングが基本です。できれば3日とも同じ負荷でやるのですが、疲労などで無理な場合は金曜日は、少し負荷を軽くして行うようにしています。

メイントレーニング

メニュー 月曜日・水曜日 金曜日
1セット目 33%x 10(ウォーミングアップ) 33%x 10(ウォーミングアップ)
2セット目 56%x 10(ウォーミングアップ) 56%x 10(ウォーミングアップ)
3セット目 79%x 5 79%x 5
4セット目 86%x 3 86%x 3
5セット目 91%x 1 91%x 1
6セット目 96%x 1 91%x 1
7セット目 91%x 1 91%x 1
8セット目 91%x 1 86%x2
9セット目 86%x 3 79%x4
10セット目 79%x5 79%x3

最低4週間はこのプログラムを続けます。その後4日以上時間をあけて、MAXにチャレンジをします。

個人的には、重量設定のための%は厳密でなくてもよいと考えています。プレートの都合でぴったりの重量設定が難しい場合もあります。

補助トレ

補助種目としての懸垂とトライセプスエクステンション(上腕三頭筋のトレーニング)を12~15回行います。

グエンプログラムと5×5プログラムの比較

5×5プログラムは、神経系のプログラムといわれています。また重量設定により筋肥大も期待できます。

5×5プログラムに、その日のMAXチャレンジをプラスしたプログラムとグレンプログラムを比較してみます。

感覚的に分かり易くするために具体的にMAXを120kgにして比較します。

比較結果

◆グエンプログラムは

 ・1日の疲労を残さないようにした神経系プログラム

 ・疲労を残さないようにして、週3回のトレーニングを可能にした

 ・負荷総重量に依存する筋肥大に対しては物足りない、補助トレで補間

グエンプログラム

メニュー 月曜日・水曜日 金曜日
1セット目 40kg×10(ウォーミングアップ) 40kg×10(ウォーミングアップ)
2セット目 67㎏×10(ウォーミングアップ) 67㎏×10(ウォーミングアップ)
3セット目 94㎏×5 94㎏×5
4セット目 103㎏×3 103㎏×3
5セット目 109㎏×1 109㎏×1
6セット目 115㎏×1 109㎏×1
7セット目 109㎏×1 109㎏×1
8セット目 109㎏×1 103㎏×3
9セット目 103㎏×3 94㎏×5
10セット目 94㎏×5 94㎏×5
負荷総重量 kg 2,000 2,464

*負荷総重量は、ウォーミングアップ後の挙上重量の総和です。

神経系に寄与する1~5レップのトレーニングが全てのセットで行われています。特に1レップのセットが多いのが特徴です。

その日のMAX+5×5プログラム

5×5は5レップ、5セットの意味です。

メニュー 水曜日 日曜日
1セット目 40kg×10(ウォーミングアップ) 40kg×10(ウォーミングアップ)
2セット目 60㎏×8 (ウォーミングアップ) 60㎏×8(ウォーミングアップ)
3セット目 80㎏×5 80㎏×5
4セット目 100㎏×1 100㎏×1
5セット目 110㎏×1 110㎏×1
6セット目 115㎏×1 115㎏×1
7セット目 120㎏×1 120㎏×1
8~12セット目 95㎏×5×5 100㎏×5×5
負荷総重量 kg 3,220 3,345

*負荷総重量は、ウォーミングアップ後の挙上重量の総和です。

5×5のプログラムは負荷総重量も大きく筋肥大にも貢献できるのが特徴。

グエンさんのトレーニングのようす

グエンさんのYouTube動画は一見の価値があります。いわゆるパワーリフターやベンチプレッサーがパワーフォームと呼ばれるブリッジが高いフォームで高重量を挙げているのとは違い、ベタ寝に近いフォームで高重量を挙げています。

重量級の人で同じような人はいますが、この体重では非常に珍しく、パワーで挙げている感じです。

グエンさんがブリッジを使えれば更に高重量が挙がると思わせるフォームです

グエンプログラムがおすすめの人

残念ながら、このプログラムは万能ではありません。明確におすすめの人が限定されます。

◆グレンプログラムがおすすめの人

 ・高重量を挙げたい人

 ・MAXに近い重量を扱える体ができている人

 ・試合やMAX挑戦のためのプログラムとして使用

 ・MAXが伸び悩んでいる人

高重量を挙げたい人

筋トレも目的は大きく分けて2種です。ボディーメイクのために筋肥大を目的とする場合と、より高重量を挙げることを目的とする場合です。グエンプログラムは明らかに後者のためのプログラムです。

MAXに近い重量を扱える体ができている人

MAXに近い重量を一日に何度も挙げることは、慣れていない人にとってはかなり危険です。疲労や気が抜けたときに怪我につながります。自分にとって重たい重量が扱える体を準備することが大切になります。

試合やMAX挑戦のため

体重を増やさずに神経系の発達を目指すプログラムなので、試合やMAX挑戦前に行うと効果が期待できます

MAXが伸び悩んでいる人

同じ刺激を継続すると、記録は伸びなくなります。神経系に偏ったプログラムなので今までやっていなかった人には刺激になることが期待できます。

まとめ

グエンさんのプログラムは優れたプログラムであることは間違いありません。

でもこのプログラムはグエンさんの子供の時からベンチプレスを行っているという特殊な環境で育ったことも見逃せません。

その考え方を理解して、アレンジして自分に合ったプログラムにすることがおすすめです。

 

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