多種目のための5/3/1プログラム ベンチプレス愛好家が確認してみた!

5/3/1プログラムはパワーリフターのJim Wendlerさんが考案したプログラムです。このプログラムはパワーリフターのように多種目を行う人におすすめです。

1種目あたりの負荷が小さく、ベンチプレス1種目だけを負荷を軽くして行うことも可能なプログラムです。

ベンチプレスの愛好者視点で5/3/1プログラムを確認します。

5/3/1プログラムの特徴

このブログ記事は、Jim Wendlerの記事「5/3/1: 純粋な強さをつける方法」を参考にしています。不思議な日本に訳されているので勘違いする場合もありそうです。

5/3/1プログラムにチャレンジするときは、このJim Wendlerの記事を一読することをおすすめします。

Jim Wendlerって何者?

5/3/1プログラムを作ったはパワーリフトのJim Wendlerさんは、Jim Wendler 5/3/1というYouTubeチャンネルを持っています。でも残念ながら5年前から更新が無いようです。動画を見てももすごい強いリフターということが分かります。

Jim Wendlerの記事「5/3/1: 純粋な強さをつける方法」の中で、「275ポンドの重量クラスでの私の最高のパワーリフティングの成果は、1,000ポンドのスクワット、675ポンドのベンチプレス、700ポンドのデッドリフト、および合計2,375でした。」と記載しています。

そして、同じ記事で私は全く強くないと記載しています!!

◆Jim Wendlerの実力

 ・体重 124.7㎏

 ・スクワット 453.6㎏

 ・ベンチプレス 306㎏

 ・デッドリフト 317.5㎏

合計 1202㎏

この記録はほぼモンスター級です。

5/3/1プログラムを作ったのは、このモンスターであることも頭に入れておいた方がよいかもしれません。

5/3/1プログラムとは

5/3/1プログラムはパワーリフターのように多種目をやる人にとってはとても効率的なプログラムです。

◆5/3/1プログラムの特徴

 ・多種目が同時にトレーニングできる

 ・1種目当たりに負荷は小さく、疲れがたまりにくい

 ・支援エクササイズで更に強化できる

多種目が同時にトレーニングできる

1週間に違う種目を4回トレーニングを行うことが基本です。サンプルとして、スクワット、ベンチプレス、デッドリフト、スタンディングショルダープレスが挙がっています。また各種目のワークアウトの後には支援エクササイズ(補助トレ)を2種目行うようになっています。

Jim Wendler – Squat

1種目当たりに負荷は小さく、疲れがたまりにくい

1種目だけに注目すると、トレーニングは週1回で4週が1サイクルになっています。最後の週はデロードです。デロードは積極的休養といわれ、負荷や回数を減らしてトレーニングを行うことです。

1日のトレーニングは3セットでレップ数も最大で5レップです。確かに総負荷という意味ではそれほど追い込んでいないようです。

支援エクササイズで更に強化できる

メインのスクワット、ベンチプレス、デッドリフト、スタンディングショルダープレスのあとに支援エクササイズを推奨しています。

サンプルトレーニングには、ベンチプレスの日には、ダンベルチェストプレス15レップ、5セット、ダンベルロウ 10レップ、5セットが記載されています。

この支援エクササイズは回数が多いので総負荷量としてはかなり多くなり体づくりになっていそうです。

5/3/1プログラムの組み方とトレーニング方法

5/3/1プログラムの概要

4週間(内1週間はディロード)のサイクルを回し、週4回のセッションでベンチプレス・デッドリフト・ショルダープレス・スクワットをメイン種目として行います。

プログラムの組み方が分かり易いように1種目に着目してみます。4週間のサイクルでは、毎週セットされているレップ数が異なります。

◆5/3/1プログラムのセット数とレップ数(1種目あたり)

 ・1週目:3セット x 5レップ

 ・2週目:3セット x 3レップ

 ・3週目:3セット x 5、3、1レップ

 ・4週目:デロード

5/3/1プログラムの重量設定

週毎の挙上重量とレップ数は、パーセンテージで指定されています。重要なのは、実際の1RMを使用するのではなく、1RMの90%をベースにするということです。

MAX重量が100kgの人はベースは90kgです。100%のときは90kgになります。

重量を上げていく過程はシンプルで、1週ごとに5%ずつ、セット間は10%ずつ重量を挙げます。

  セット1(kg) セット2(kg) セット3(kg)
1週目 65% x 5 75% x 5 85% x 5+
2週目 70% x 3 80% x 3 90% x 3+
3週目 75% x 5 85% x 3 95% x 1+
4週目 40% x 5 50% x 5 60% x 5

+が付いているものは最大反復回数までやります。

重量の感じを理解するために、MAX100kgのときの実際の重量は計算してみます。

セット1(kg) セット2(kg) セット3(kg)
1週目 58.5 67.5 76.5
2週目 63 72 81
3週目 67.5 76.5 85.5
4週目 40.5 45 54

1サイクル目では、3週目の一番重量が重くなる時でも85.5kgです。ベンチプレスだけ行っている人にはかなり物足りない感じではないでしょうか。

4週終わったらどうするの?

Jim Wendlerは、1年間のトレーニングを考えてこのプログラムを作っていると言っています。でも各サイクルごとに重量設定については少し分かり難いようです。

Jim Wendlerの記事には、4週が終わり、次の4週のサイクルを開始するときは、ベンチプレスとショルダープレスの場合は1RMに5ポンド(2.25kg)、スクワットとデッドリフトの場合は10ポンド(4.5kg)を追加し、新しい数値を使用してトレーニングウェイトを再計算するとあるのですが・・

これを数ヶ月繰り返していると数ヶ月でかなり重たい重量を扱うことになります。どこかでMAXチャレンジをしてリセットするのですが・・

サイクルトレーニングと同様この辺が難しいところです。私がサイクルトレーニングを行っていた時は、1サイクル終わるとMAXにチャレンジして、それをベースに、重量を再設定していました。

同じことをすれば、分かり易いのですが、記事ではこの辺には触れられていません。

ベンチプレス愛好者がみた5/3/1プログラムは?

以前はスクワットをやっていましたが、現在は腰も痛めベンチプレスを週2回のトレーニングをやっています。ベンチプレスの愛好者目線で見るとどんな感じでしょうか?

◆ベンチプレス愛好者目線での心配な点

 ・多種目プログラムを1種目に当てはめる難しさ

 ・5/3/1プログラムは神経系プログラム、筋肥大はどこで行うの?

 ・負荷は5サイクル目でも大きくないが、怪我が心配
 ・MAXチャレンジはいつおこなうの?

多種目プログラムを1種目に当てはめる難しさ

5/3/1プログラムはパワーリフターのように複数種目を行う人には、おすすめのプログラムであることは間違いありません。

ところが、これをベンチプレス愛好者がベンチプレスに当てはめている人もいます。他の運動をやっている人や仕事が忙しい人が、このプログラムを利用するのは一つのやり方にも感じられます。

パワーリフターのように明確に3種目もしくは4種目が決まっている人ならば分かり易いのですが、種目として他の運動を入れてもOKかな?と思い始めています。

Jim Wendler- Bench Press 405×1

5/3/1プログラムは神経系プログラム、筋肥大はどこで行うの?

5/3/1プログラムは、レップ数が少ないので筋肥大プログラムではありません。

このプログラムは、最初の設定は重量負荷は小さいですが、4週ごとに重量をアップさせると、自分のMAXに近い重量を扱うことができます。このため神経系強化プログラムと言えます。

でも地力をアップをさせたい人がより大きい筋肉を得たい時は、非効率なプログラムと考えられます。

負荷は5サイクル目でも大きくないが、怪我が心配

最近のベンチプレスのMAXは、120kgです。これを元にトレーニングボリュームを計算してみました。

◆1サイクル目

  セット1 セット2 セット3
1週目 70.2kg×5 81kg×5 91.kg×5
2週目 75.6kg×3 86.4kg×3 97.2kg×3
3週目 81kg×5 91.8kg×3 102.6kg×1+
4週目 43.2kg×5 54kgx 5 64.8kg x 5

赤印が、この月の最も重い重量です。102.6kgは、120kg挙げられる人にとっては重い重量ではありません。むしろ1ヶ月間、高重量を挙げないこと自体が心配になります。

◆5サイクル目

  セット1 セット2 セット3
1週目 80.2kg×5 91kg×5 101.kg×5
2週目 85.6kg×3 96.4kg×3 107.2kg×3
3週目 91kg×5 101.8kg×3 112.6kg×1+
4週目 53.2kg×5 64kgx 5 74.8kg x 5

5ヶ月目の5サイクル目でも、最も重い重量は112.6kgなのでそれほど重い重量ではありません。

MAXを更新すると重量は上がりますが、実力が挙がったとすると負荷は変わりません。

MAXにチャレンジしないとすると重量は毎月上がっていきますが、半年もすると扱えない重量に近づいてきます。

心配なのは、MAX更新が行われずにセット重量が上がって来たときに、極端に神経系のトレーニングなってきます。低重量でしっかり筋肉を鍛えておかないと怪我につながります。

MAXチャレンジはいつおこなうの?

MAXチャレンジをいつ行うのがよいのかも、5/3/1プログラムの悩ましいところです。

短期間MAXを測定:初期の数サイクルの負荷は小さいので鍛えられるタイミングがない。MAXを測定すると、そのMAXでサイクルを組み直すと想定です。この場合だとMAXが下がってくる可能性すらありそうです。

半年ぐらいチャレンジしないと:扱う負荷は上がってきて神経系が鍛えられるプログラムになるが、もう少し高頻度でチャレンジしたくなる。

MAXが停滞している人は:重量が停滞している人がこのプログラムを行うときに、どのタイミングでトレーニングの重量のアップを止めるのがよいという問題がでてきそうです。

まとめ

5/3/1プログラムは多種目をより効率的にパフォーマンスを上げるというプログラムです。本当に効率的にこのプログラムを活用するには、その本質を理解する必要があります。

まずは、Jim Wendlerが2009年に書いたの記事「5/3/1: 純粋な強さをつける方法」について精読することをおすすめします。記事は少し哲学的な感じもあります。

まとめとして、5/3/1プログラムについて感じたことを記載します。

・5/3/1プログラムは、パワーリフターや筋トレ愛好者でビッグスリーの記録を効率よく伸ばしたい人におすすめです。他にこのプログラムが合う種目やシチュエーションを考えたのですが、見つかりませんでした。

・少し突飛な考え方ですが、面白そうな組み合わせとしては、他の運動もしくは運動以外と組み合わせると考えると面白そうに思えます。

例えばベンチプレス、スクワット、テニス、ヨガを4種目と考えてトレーニングを行うことです。トータルの運動量は多いので効率的に鍛えたいときに5/3/1を当てはめるのです。テニス、ヨガには具体的な重量やレップ数は当てはめることができませんが、考え方を当てはめます。

・Jim Wendlerは5/3/1プログラムをカスタマイズはしてはいけないと言っていますが、私みたいなベンチプレスの愛好家にとっては、カスタマイズして使いたくなります。週に2回ベンチプレスをおこない、セット数とレップ数、重量を当てはめてトレーニングをしている人などはその例に当たります。

 

 

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