バーの握り方のポイントは、握り幅、握り、手首の使い方などです。筋肥大を目指す場合と、より重量を追求する場合ではバーの握り方は変わるのが正解です。
この記事では、バーの握り方の基本的な考え方、各ポイントでの具体的な方法について考えます。更に初心者から中級者が幅広く使える万能の握り方を紹介します!
ベンチプレスを行うのに毎回、バーの握り方を変えていると初心者はもちろん中級者でも体が混乱して上手くパフォーマンスが出せなくなります。
色々と考えるのは面倒くさいので、多くの人が利用できる万能の握りからを考えました。
この握り方は怪我はし難く、より重たい重量を扱うことができます。これをベースに目的やフォームで少しずつ握り方を変えるのがおすすめです。
◆万能の握り方
握り幅 バーについている81cmラインに人差し指を合わせる。
握り サムアラウンドで握る。
小指、薬指、中指でバーを握り込み親指人差し指はやや浮かせかげんにします。少し手を八の字にしてバーを尺骨にのせる。
手首の使い方 手首は寝かせて少しお腹側に下すようにする。
怪我をし難くく、より重たい重量が扱える握り方なので、筋肥大を目指す人にもおすすめです。
握り方は、手首の柔らかさやフォーム特にブリッジの高さに影響をうけるので自分に合うように改善しましょう!
バーの握り方の基本的な考え方
バーの握り方を決める基本的な考え方には3つあります。
①怪我がし難い握り方、②重量をめざすルールに準する握り方、③より筋肥大するための握り方です。目的に合わせて良いとこ取りができればベストです。
怪我がし難い握り方
ベンチプレスは上半身を鍛える種目で一番高重量を扱うことができます。より重たい重量を挙げられると、達成感もあり人気の種目であるのですが、同時に怪我が多いので注意が必要です。
フォームなどの影響で特に、肩、肘、腰などを痛めます。怪我までに至らなくても痛みがでたりします。年齢の影響もあるのですが、私も常に痛みを抱えています。
肩や腕をより使うフォームで高重量を挙げると肩や肘を痛めます。また高いブリッジを作ろうとして腰を痛めたりします。筋肥大では、意識的に肩や腕に負荷をかけるフォームにするので痛める確率が高くなります。
より怪我をしない方法を選択するのはとても大切です!
重量をめざすルールに合った握り方
より重量を目指す人は、JPA(日本パワーリフティング協会)のルールに準ずるのがおすすめです。JPAのルールブックはこちら。
国際ルールにも準拠していますし、挙げた重量を自慢するときも、皆ここをベースとしています。よく言うのは「止めていないけど100kg挙がったよ」などです。
JPAのルールには、バーの握りについては、握り幅の規定があります。「バーの握り幅は、左右の人差し指間で最大81㎝とし、人差し指は81㎝のマークより内側の部分に なければならない」です。
また握り方に影響があるルールとしては、胸または腹部まで下すのがルールがあります。ジムでトレーニングをしている人の中には胸や腹まで下さずに途中までの人がいます。しっかりと下して挙上重量を自慢しましょう!
より筋肥大するための握り方
ベンチプレスで鍛えらる主な筋肉は大胸筋(胸)、三角筋(肩)、上腕三頭筋大胸筋(腕)です。もちろんフォームによっては全身運動になるのでその他の多くの筋肉が鍛えらます。
意識してこれらの筋肉を鍛えようとすると、フォームが変わり、それに伴い握りも変わってきます。より肩に効かす場合は肘を開き垂直に下すフォームですが、この場合は手首は立てた方が自然に下せます。
個人的には、ベンチプレスで筋肥大を目指す人であっても高重量を扱う場合は怪我をし難いフォームや握り方をおすすめします。
ベンチプレスで肩の筋肥大を狙ったフォームで行うのはおすすめではありません。肩を痛める可能性が高いからです。
バーの握り方の具体的なポイント
バーの握り方のポイントについて具体的に考えていきます。
ベースになるベンチプレスのフォームや握りが確立されると、それを少し変えることで強化したところや、筋肥大させたい場所に効かせることができます。
握り幅
握り幅は前述した通り、バーについている81cmラインを基本にすることがおすすです。
81cmラインに人差し指を合わせるか、中指を合わせる人が多いようです。人差し指と中指での違いは幅で3~4cmですが、ベンチプレスを長い期間やっていると、大きな違いと感じます!
人差し指を合わせたとき
ルール内でより挙上距離(胸から上げた位置の距離)が短くなります。この場合は下しやすい位置がより上側(頭側)になります。より胸を使ったベンチプレスになります。
ギリギリの重量で行うと肘が開き肩を使って挙げるフォームになり肩を痛め易くなり、注意が必要です。
中指を合わせるとき
少し挙上距離は伸びますが、よりお腹側に下しやすくなります。より腕(三頭筋)を使うフォームになります。肘が開き難くなり肩を痛めにくいフォームになります。
この考え方を応用すると、胸や三頭を鍛えることができます。81cmよりワイドにすると、より胸に効かせることができます。81cmより狭くするとナロウベンチプレスになり、三頭筋を効かせることができます。
握り
バーの握り方には、大きくは、サムレスとサムアラウンドがあります。
サムアラウンド
安全確保のため、サムアラウンドがおすすめです。サムアラウンドは親指と他の4本の指で包み込むように握ります。個人的には、MAXに近い重量を持つときは、しっかりバーを握り込むとラックアップのときに重量に負けない感覚がでます。
中指、薬指、小指に強く意識を持ち、バーベルを握ると尺骨側にバーベルが乗りやすくなります。尺骨にうまくのるとバーを支える力が少なくてすむ上、押す感覚が出てきます。
サムレス
サムレスは、手のひらに乗せたバーを親指を外し4本の指で握るのですが、親指で握りこんでないのでバーが胸に落ちる可能性があります。
でもサムレスの方が、腕の芯にのせやすいのです。ジムでも上級者ぽい人がサムレスでベンチプレスや他の種目を行っているのを見かけたりします。
上級者ではバーを握るときに尺骨にのせるために、手のひらを八の字にしたり、逆八の字にしたりします。こちらの方がのせやすい人はOKですが、無理にこの形をつくると手首を痛めたりするので注意しましょう。
手首の使いかた
手首の使い方で一番話題になるのは、手首を寝かせるか立たせるかです。
一般的には、パワーリフターやベンチプレッサーなどより重たい重量を扱いたい人は手首を寝かします。筋肥大を目指す人たちは手首を立たせるようです。
手首を立たせるフォームをするとバーはお腹側にながすフォームはつくり難く、胸の上の方に下すフォームになります。肩を使って挙げる人はこちらのフォームの方が力がでるのですが、肘が開き易くなり、肩を痛める確率が高くなります。
逆に手首を寝かせると、お腹側に下しやすくなり、肩が開き難いフォームになります。より肩を痛めにくくなります。
筋肥大の観点では、手首を立てて胸の上側に下すと肩が鍛えられます。
手首の立てる寝かせる問題の記事は「ベンチプレス バーの握るときの手首は? 立てる? 寝かせる?」
握り方の比較
実際のフォームとバーの握り方を写真で確認します。イメージをつくりましょう!
オーソドックなフォームで握りは紹介した万能の握りです(私のフォームです)。
こちらもオーソドックスなフォームです。尺骨にしっかりバーが載っています。肘がもう少し伸びた方がより良いフォームです。
まだラックアップが完了していませんが、尺骨にしっかり載りそうなフォームです。お腹側に下すときは親指をこんな感じで握った方が下しやすいかもしれません。
アメリカのパワーリフターのグエンさんの握りです。手首が立っているのが特徴です。このまま真っすぐ下に下す独特のフォームです。パワーリフターとしては、かなり珍しいフォームではないでしょうか! 動画はこちら
フリーの画像サイトに合った画像です。恐らく初心者だとおもいます。握り込みすぎの感じもありますが、初心者としてはOKレベルではないでしょうか。
まとめ
ベンチプレスのフォームとバーの握り方は密接な関係があります。少しの違いでも、痛みがでたり、挙上重量が変わったりします。
これだけを見てもベンチプレスは単純だけど奥が深い種目です。
でも自分で色々と工夫すると、その結果も現れます。
何よりも怪我をしないで、長く楽しく続けることがパフォーマンスも上がりベストです!