ベンチプレスなどのパワー系のスポーツはどうしても年齢とともにパフォーマンスが落ちてしまいます。このため大会でもマスターズが設定されています。
私のようなベンチプレスの愛好者が、よりモチベーションを高めることができるように、年齢を加味したIPF GLポイントの計算ツールを作成してみました。
年齢によっては驚くべき強さになっています!
ベンチプレスやパワーリフティングの大会では、体重差を補正して、誰が一番強いかを評価するツールが使われています。
IPF主催の大会では、長期に渡りウィルクス・フォーミュラが使われていました。2020年からは、より精度を上げるために、IPF GL ポイントが使われるようになりました。
年齢を加味したIPF GLポイント計算ツール
IPF GLポイントはIPFが準備した正式なツールですが、今回紹介する年齢を加味したIPF GLポイントは、このブログのオリジナルです!
お試しのツールなので、まずは、男性のノーギアのベンチプレスをターゲットにしています。他の組み合わせでも計算はされますが、係数が男性のノーギアのベンチプレスを使用しているので精度が落ちます。
年齢の加味した計算方法
ベンチプレスの日本記録のデータに今回の計算の根拠があります。
少し気になるのは、しっかりとトレーニングをしている人のデータなので、ほとんどトレーニングをしている人には当てはまらないかもしれません。
◆ベースになる知識
・体重別では、ベンチプレスの最大重量は年齢に比例してダウン
・年齢によるダウン率は体重に比例
・ベンチプレスのピークは27歳
この3つのデータをベースに今回のツールは作られています。
2022年の階級、カテゴリー別の日本記録の表です。元資料はこちら
カテゴリー | 一般 | M1 | M2 | M3 | M4 | |
階級 | 年齢(歳) | 30歳~(kg) | 40歳~(kg) | 50歳~(kg) | 60歳~(kg) | 70歳~(kg) |
男子59㎏ | 23 | 170 | 165 | 165 | 132.5 | 122 |
男子66㎏ | 23 | 205 | 170 | 160 | 145 | 130 |
男子74㎏ | 26 | 240 | 226 | 172.5 | 149 | 135 |
男子83㎏ | 43 | 223 | 223 | 192.5 | 170 | 140 |
男子93㎏ | 28 | 240 | 212.5 | 195 | 167.5 | 135 |
男子105kg | 30 | 230 | 222.5 | 221.5 | 182.5 | 128 |
男子120㎏ | 20 | 275 | 230 | 230 | 193 | 115 |
ベンチプレスの最大重量は年齢に比例してダウン
階級別(体重別)の一般、マスターズの日本記録は、年齢に対してほぼリニアーでダウンしている。
階級ごとに、各カテゴリーの日本記録をプロットすると、リニア-になっていることが分かります。階級が変わるとグラフの傾きが変わります。
年齢によるダウン率は体重に比例
縦軸は、各階級の傾き(ダウン率)です。横軸は体重です。階級ごとのダウン率と体重はリニアーの関係になっています。一部直線に乗っていない点がありますが、相関関係を表すR²は0.97と非常に高くなっています。
ベンチプレスのピークは27歳
児玉大紀さんが43歳のときに83kg級の日本記録をだしていますが、それを加味しても日本記録をだしている年齢の平均は、27歳です。
このため、ツールでは20から27歳まではピークを維持していることになっており、27歳を越えるとすこしずつパフォーマンスが落ちるように計算されています。
使用例 64歳で120㎏挙げると!
2022年の私のMAX記録は残念ながら120kgでした。この記録をこのツールを使って確認してみました。
<入力>
体重:76kg
挙上重量:120kg
年齢:64歳
<結果>
27歳時のMAX値にに換算:193.11kg
IPF GL ポイント: 63.1
年齢加味の Add age IPF GLポイント:101.54
なんと、27歳時のMAXに換算すると193kgが挙がっていることになります!! そんなに強い??という感じもあります。
実際には、ボトムでの止めがないので、大会レベルでは185kgぐらいでしょうか。
日本記録を元にした今回の計算ではこんな値がでます!!
まとめ
このツールは、何の権威もありませんが、それほど変なシュミレーションではないと考えています。
ベンチプレスを楽しんでいるマスターズの人たちのモチベーションが上がってくれたり、より楽しくトレーニングができたら嬉しいです!
[…] このサイトでも、全日本参加者の平均値をもとに換算係数をつくり、ツールを作成しています。 […]