年齢も65歳といい歳になって最近筋肉の質が気になっています。見かけの体形や腕の太さはほとんど変わっていませんが、ベンチプレスの挙上重量は落ち気味です。
挙上重量は、筋肉量、神経系の向上、テクニックなどの要素が強く影響しています。
筋力は筋肉量に比例すると言われています。筋肉の質とベンチプレスの関係について考えてみました。
筋肉は、骨格筋、平滑筋、心筋の3種類に分類されます。筋肉の構造についてはこちら
一般に筋肉というと骨格筋のことです。平滑筋は内臓や血管の壁にある筋肉です。心筋は心臓だけにある筋肉です。
骨格筋を構成している筋繊維は遅筋と速筋の2種類です。
速筋:白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬時に大きな力を発揮します。疲れやすい弱点があります。
遅筋:赤筋とも呼ばれます。酸素を蓄えているためエネルギーをつくりだします。収縮スピードが遅く、瞬時に大きな力を発揮できません、疲れ難く持久系の運動に向いています。
筋力は速筋に依存しており、筋力を高めるには速筋を大きくする必要があります。
速筋は筋肥大しやすく、遅筋は筋肥大し難いという特徴もあります。筋肥大は運動、栄養補給、休息により効率的に達成されます。
筋肥大のメカニズムは2通りです。
・筋肉を構成する筋線維自体を太くする
・筋線維の数が増えることによるもの
どちらもトレーニングによって活性化されます。更に詳しくはこちら
細くても力が強い人がいます。どうも、筋肉の質に良し悪しがあるようです。
どうも世の中でいわれている質の良い筋肉は2通りあるようです。
①筋質(筋肉とそれ以外の脂肪や水などの成分の比)高い筋肉
②疲れにくい筋肉 通常は柔らかく力を入れると硬くなる
①は多くの研究者提唱しておりタニタなどが点数化しています。
②は昔から運動をしている人たちがよく言っている筋肉の柔らかさにまつわるものです。
不摂生していたり、加齢していくと筋肉が霜降り状態になってきます。
また、筋肉のやわらかさは疲労との係りも深く、疲労すると筋肉が硬くなり血流が悪くなります。
やわらかい筋肉は疲れにくく、回復が早い筋肉とも考えられます。
これまでの知識からベンチプレスと筋肉の関係を考えてみます。
ベンチプレスが強くなるためには、筋肥大、神経系の発達、テクニックの向上が3つの要素といわれています。
このうち筋肥大と神経系の発達は筋力に直結しています。
すなわち筋力は、筋肉の大きさと神経系の発達に依存します。
神経系の発達度合が同じであれば、筋力は筋肉の大きさに比例します。
ベンチプレスを競技として取り組む場合は、体重別の階級製です。
ベンチプレスの強さを評価する場合も必ず体重が評価の要素になります。
100kgを挙げる体重90kgの人と体重60kgのベンチプレスの強さは異なります。
このため、ベンチプレスでは神経系の発達やテクニックが重要になります。
あまり言われていないことですが、これに加えて重要な要素に筋肉の質があります!
筋肉の質を向上させるには
ベンチプレスのための筋肉の質を向上させる方法は?
これはなかなか難し問題です!
でも手っ取り早く行るならば、以下の2つの方法です。
①トレーニングに有酸素運動を行う
②筋疲労を取る努力を行う
◆有酸素運動を行う
20代から30代前半の方は、あまり気にしなくてもよいかもしれません。
それ以降の年代では、代謝が落ちてきて少しずつ筋肉が霜降り状態になっていきます。
ベンチプレスのアスリートですら年齢とともに階級を挙げる人が多くなります。
ところが、ベンチプレスを一緒に行っている60代の強い人の中には、体重を増やさずに記録を上げていたりします。
彼らはランニングやテニスなどの有酸素運動を行っています。
これらの有酸素運動が良い影響を与えているように見えます。
◆疲労を取る
これは筋肉の質を上げるというより、筋肉を良い状態にすると言った方が正しいかもしれません。
多くの人が経験したことがあるように、疲労が残っているときは当然パフォーマンスが落ちます。
でも意識して疲労を取る努力をすると、トレーニング時のパフォーマンスが向上します。
ストレッチやマッサージ、お風呂、休息、美味しいものを食べるなど簡単にできることでOKです。
考えてみると、私は意外とこれらのことができていません。
ベンチプレスの3つの要素は筋肥大、神経系の向上、テクニックです。
筋肥大で体重が増加すると強くなれますが、30代後半以降の人には、筋質を向上させることがおすすめです。
筋質は筋肉の霜降りと疲労を取り除く努力をすることで改善していきます。
まだ何も行っていない人は、やってみてはどうでしょうか!