ベンチプレスなどの筋トレを長年やっていると、怪我や病気や他の理由で長期でトレーニングができない期間があります。
再開して元のパフォーマンスにもどるのには、マッスルメモリーにより、パフォーマンスを得た期間より短時間で元の状態に戻ると言われています。
でも実際には、それなりに長い時間が必要になるようです・・
怪我で休養した場合は、怪我の程度や部位により、パフォーマンスがもどる期間が異なります。
今回は病気(バセドウ病)で休養していた期間と新型コロナでジムに行けなかった期間について、パフォーマンスがもどるまでに期間について確認しました。
◆分かったこと
・マッスルメモリーは有効に働いている。
数年かかるパフォーマンスの向上が数ヶ月で達成できる!!
・パフォーマンスの90%まではトレーニングを再開して1~2ヶ月でもどる
・パフォーマンスの90%以降は鈍化、100%までは更に3~4ヶ月かかる
パフォーマンスを100%戻すまでには、半年ぐらいの覚悟が必要そうです。特に最後のひと伸びが、なかなか厳しいようです!
マッスルメモリーとは
マッスルメモリーとは、トレーニングで鍛えた過去の筋肉の状態へ短期間で戻したり、それ以上のパフォーマンスを短期間で出したりすることできる現象です。
マッスルメモリーについてはネット上でも色々情報がありますが、研究はまだまだこれからのようです。
マッスルメモリーを理解するためののポイントは、マッスルメモリーが得られるための期間、マッスルメモリーが有効な期間、そしてそのメカニズムなどです。
マッスルメモリーが得られるためのトレーニング期間
期間は最低3ヶ月から1年が必要です。3ヶ月の根拠は体の細胞は、約3ヶ月で細胞が入れ替わるからとのことです。確実にマッスルメモリーを得るためには1年間以上はトレーニング期間が欲しいところです。
マッスルメモリーが有効な期間
安定して有効なのは10年から15年と言われています。また別の記事では影響は生涯に及ぶとか、高齢になってから得たマッスルメモリーは弱く、60歳代で得たマッスルメモリは70歳代では有効に機能しないとの事例もあるようです。
メカニズム
色々な研究がされていますが、まだ完全に解明されてはいません。有力とされているのは「筋細胞の核の数」に着目したものです。筋トレによって筋細胞の核の数が増えることによって、筋肉がもとに戻りやすくなると考えられています。
おすすめのマッスルメモリーに関する記事 MoneyFromの「マッスルメモリーの原理を科学的根拠をもって解説、戻るまでの期間は?」
休養から復帰するのにかかった時間
トレーニングを2ヶ月以上できない期間を例に、どれ位の期間でベンチプレスの元にパフォーマンスにもどるかを確認しました。
◆トレーニングの休養の例
・バセドウ病の発症:2019年の4月から約3ヵ月休養
・新型コロナの影響:2020年の4月から約2ヶ月休養
バセドー病からの復帰
バセドウ病を発症して体重が約8kgほど落ちました。投薬治療を始めると急激に体調がよくなり、やく3ヵ月後にはジムで筋トレができるようになりました。体重減のカバーの時間もあり、元のパフォーマンスに戻すまでは少し長めに時間がかかりました。
期間 | ベンチプレス パフォーマンス |
休養前に対する% |
休養前 | 116㎏ | 100% |
休養 | 3ヵ月 | 0 |
休養後初 | 66㎏ | 57% |
1ヶ月 | 88㎏ | 76% |
2ヶ月 | 105㎏ | 91% |
3ヶ月 | 111㎏ | 96% |
4ヶ月 | 114㎏ | 98% |
5ヶ月 | 114㎏ | 98% |
6ヶ月 | 119㎏ | 103% |
ベンチプレスのパフォーマンスは挙上重量とレップ数をRM換算を用いて、1レップ(MAX重量)に換算しています。
休養あけの初回は66kgでしたが、2ヶ月後には、105kgが挙がり91%までパフォーマンスがもどっています。これがマッスルメモリーですね!!
その後のもどりは遅く、元の重量にもどるまではトータル6ヶ月を要しています。
新型コロナでジムに行けない!
新型コロナで緊急事態が発令されたタイミングです。ジムには全くいけなかったのですが、自宅でプッシュアップはやっていました。多少良い方向に働いたと考えられます。
期間 | ベンチプレス パフォーマンス |
休養前に対する% |
休養前 | 120㎏ | 100% |
休養 | 2ヶ月 | 0 |
休養後初 | 100㎏ | 83% |
1ヶ月 | 112.5㎏ | 94% |
2ヶ月 | 115㎏ | 96% |
3ヶ月 | 117.5㎏ | 98% |
4ヶ月 | 120㎏ | 100% |
ベンチプレスのパフォーマンスは挙上重量とレップ数をRM換算を用いて、1レップ(MAX重量)に換算しています。
休養あけの初回は100kgと既にこの時点で83%のパフォーマンスでした。1ヶ月後には、112.5kgが挙がり94%までパフォーマンスがもどっています。
でもその後のもどりは遅く、元の重量にもどるまではトータル4ヶ月を要しています。
まとめ
マッスルメモリーは機能している!
今回の2つの事例でもマッスルメモリーは有効に働いています。特にバセドウ病からの復帰の最初の2ヶ月では57%のパフォーマンスが91%まで回復しています。完全にメモリがリセットされていると数年かかるレベルです。
最後の伸びに時間がかかる
気が付いたのは、パフォーマンスを90%程度までもどすのは、早いけど、それ以上もどすのは時間がかかるということです。
パフォーマンスの落ちを最小減にする
2つの事例を見て分かるのは、自宅でのトレーニングなど休養期間のパフォーマンスの落ちを押さえると、元のパフォーマンスに戻す期間を短縮できます。
怪我はより時間がかかる
ここでは紹介していませんが、ただ休養するだけでなく、病気や怪我などがあるとより期間がかかります。怪我にもよりますが、その種目で使っている部位を痛めるとパフォーマンスを戻すのにはかなりの期間が必要です。痛めないことが大切になります。